こんにちは!「マイスタ機材室」です。
今回は、私が宅録やペダルボードで使用している Strymon のアンプ & IR キャビネット「IRIDIUM」をレビューします。
自宅でギターを弾いていると、
- 真空管アンプを大音量で鳴らせない
- アンプシミュレーターを使っているけれど、弾いていて気持ちよくない
- 手持ちのコンパクトエフェクターをそのまま使って宅録したい
- ペダルボードからオーディオインターフェースへ直接つなぎたい
- ヘッドホンでも自然なアンプサウンドで練習したい
という悩みが出てきます。
Strymon IRIDIUM は、そんな用途に非常に相性のいいペダル型アンプ&キャビネットシミュレーターです。
3 種類のアンプモデルと 9 種類の IR キャビネット、さらに Room Ambience を搭載し、ペダルボードからそのまま PA やオーディオインターフェースへ接続できます。
私自身も実際に使用していますが、IRIDIUM の魅力は単純に「アンプの音が良い」というだけではありません。
お気に入りのペダルボードを、そのまま宅録・ライブ用のアンプシステムにできること。
これが IRIDIUM の大きな魅力だと感じています。
この記事では、実際に使って感じたメリット・デメリットとともに、IRIDIUM がどんな人に向いているのかをレビューします。
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Strymon IRIDIUM とは?
Strymon IRIDIUM は、3 種類のアンプモデリング、9 種類の IR キャビネット、Room Ambience を搭載したペダル型のアンプ & キャビネットシミュレーターです。
搭載されているアンプモデルは、
- Round:Fender Deluxe Reverb をベースにしたモデル
- Chime:Vox AC30TB Brilliant チャンネルをベースにしたモデル
- Punch:Marshall Plexi Super Lead 1959 をベースにしたモデル
の3種類です。
さらに、各アンプに合うキャビネット IR が用意されているほか、Strymon Impulse Manager を使って自分で IR を読み込むこともできます。
つまり IRIDIUM は、
ギター → IRIDIUM → オーディオインターフェース
という非常にシンプルな構成で、アンプとキャビネットを含めたギターサウンドを作ることができます。
IRIDIUM の 3 つのアンプモデル
まずは、IRIDIUM を選ぶうえで重要な 3 種類のアンプモデルについて紹介します。
Round|Fender Deluxe Reverb 系
Round は、Fender Deluxe Reverb をベースにしたアンプモデルです。
クリーン~クランチ系のサウンドを作りやすく、ペダルとの組み合わせにも向いています。
Strymon 公式でも、Deluxe Reverb の Normal チャンネルをベースにしていると説明されています。
私が IRIDIUM を使うときにも、まず試したくなるのがこの Round です。
特に、
「アンプはクリーンにして、前段のオーバードライブやブースターで音を作る」
という使い方と相性が良いと思います。
Chime|Vox AC30 系
Chime は Vox AC30TB の Brilliant チャンネルをベースにしたモデルです。
Round よりもブリティッシュ系の明るくジャキっとしたキャラクターで、コードを鳴らしたときの存在感があります。
ギターのボリュームやピッキングの強弱による変化を付けやすいので、
- クリーン
- クランチ
- ブリティッシュ系オーバードライブ
を一台で作りたい場合に便利です。
Punch|Marshall Plexi 系
Punch は Marshall Plexi Super Lead 1959 をベースにしたモデルです。
3 種類の中では最も太く、ドライブさせたときの存在感があります。
ただし、IRIDIUM 自体がハイゲイン専用機というわけではありません。
むしろ、
「Plexi 系のアンプをペダルボードに組み込みたい」
という感覚で使うと分かりやすいと思います。
実際に使って感じた IRIDIUM のメリット
1. ペダルボードの最後に置くだけで「アンプ」が完成する
私が IRIDIUM を気に入っている最大の理由がこれです。
通常のペダルボードでは、
ギター → エフェクター → アンプ
という構成になります。
IRIDIUM を最後に置けば、
ギター → エフェクター → IRIDIUM → PA / オーディオインターフェース
という構成にできます。
つまり、アンプを持ち運ばなくても、ペダルボードの中にアンプとキャビネットを組み込めます。
Strymon 自身も、IRIDIUM をペダルボードに組み込み、PA やレコーディングインターフェースへ直接送る用途を想定しています。
これは宅録だけでなく、ライブやスタジオ練習でも大きなメリットです。
2. 3 種類のアンプモデルがどれも使いやすい
IRIDIUM には 3 種類のアンプしかありません。
一見すると、「3 種類しかないの?」と思うかもしれません。
しかし、私はここが IRIDIUM の良さでもあると思っています。
マルチエフェクターのように何十種類ものアンプから選ぶのではなく、
Fender 系、Vox 系、Marshall 系
という代表的な 3 タイプに絞られています。
そのため、音作りで迷いにくいです。
「今日はどのアンプにしよう?」というところから始めても、3 種類なので比較的すぐに決められます。
3. 前段のコンパクトエフェクターが使いやすい
IRIDIUM は、アンプシミュレーター単体で音を完成させるというより、普段使っているエフェクターと組み合わせて使うのが非常に楽しい機材です。
例えば、オーバードライブ → IRIDIUM という接続にすると、実際のアンプにペダルを入れているような感覚で音作りができます。
私は普段からコンパクトエフェクターを中心に音作りをしているので、この点は IRIDIUM の大きなメリットだと感じています。
4. ROOM があることでライン録音特有の「平面的な音」を減らせる
IRIDIUM には ROOM コントロールがあります。
これは単純なリバーブというより、アンプとキャビネットが部屋の中で鳴っているような空間感を加えるための機能です。
Strymon によれば、実際の部屋のインパルスレスポンスとアルゴリズムによる処理を組み合わせたハイブリッド方式で、Small / Medium / Large の 3 種類のルームサイズを選択できます。
この ROOM を少し加えるだけで、ヘッドホンやモニタースピーカーで聴いたときの印象が変わります。
個人的には、IRIDIUM をヘッドホンで使うときに特にありがたい機能です。
5. ヘッドホンを直接接続できる
IRIDIUM にはヘッドホン出力があります。
そのため、
ギター → IRIDIUM → ヘッドホン
という構成で、自宅でアンプサウンドをモニターできます。
「今日はアンプを鳴らせない」というときでも、ペダルボードをそのまま練習環境として使えるのは便利です。
Strymon も、リビングや自宅でアンプを大音量で鳴らせない状況を想定したヘッドホン出力を搭載しています。
IRIDIUM のキャビネット IR について
IRIDIUM では、アンプだけでなくキャビネット部分も処理されます。
標準で 9 種類の IR キャビネットが搭載されており、Strymon Impulse Manager を使えば自分の IR を読み込むこともできます。
ここは IRIDIUM を理解するうえで重要です。
例えば、
Round = Fender 系アンプ
を選んだとしても、最終的にどのキャビネットを組み合わせるかによって音の印象は変わります。
そのため、
「アンプモデルを選んだら音が決まる」
というものではありません。
アンプとキャビネットの組み合わせまで含めて音作りをするのが IRIDIUM です。
IRIDIUM は自分の IR も使える
IRIDIUM には、工場出荷時から 9 種類のキャビネット IR が用意されています。
さらに、Strymon Impulse Manager を使って外部 IR を読み込むこともできます。
そのため、標準 IR だけで物足りなくなった場合にも、音作りを広げられます。
ただ、個人的には最初から外部 IR を探し回る必要はないと思います。
まずは標準 IR で使い込んで、
「もう少しこういうキャビネットの音が欲しい」
となってから外部 IR を試す方が、IRIDIUM の音作りを理解しやすいです。
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IRIDIUM の気になるポイント
1. センド/リターン端子はない
IRIDIUM にはエフェクトループの Send / Return がありません。
そのため、アンプの後ろにディレイやリバーブを置くような一般的なアンプの接続を再現したい場合は、接続順を工夫する必要があります。
例えば、
歪み → IRIDIUM → ディレイ → リバーブ → オーディオインターフェース
という構成です。
IRIDIUM をペダルボードの最後に置いて、その後ろに空間系を配置する形になります。
これは人によっては気になるポイントです。
2. アンプモデルは 3 種類だけ
IRIDIUM は、マルチエフェクターのように大量のアンプモデルを搭載しているわけではありません。
そのため、
「Mesa 系も Orange 系も Soldano 系も Marshall 系も全部欲しい」
という人には向いていません。
一方で、
「Fender 系、Vox 系、Marshall 系があれば十分」
という人にとっては、3 種類に絞られていることがむしろメリットになります。
3. ディレイやコーラスなどは搭載していない
IRIDIUM の役割は、基本的にアンプ + キャビネット + ルームです。
ディレイやコーラス、フランジャーなどをまとめて処理するマルチエフェクターではありません。
そのため、空間系を使いたい場合は別のペダルを用意します。
ただし、普段からコンパクトエフェクターを使っている人にとっては、これは大きな問題ではありません。
むしろ、
「手持ちのペダルはそのまま、最後に IRIDIUM を追加する」
という使い方ができます。
4. すでに真空管アンプ + ロードボックスを持っているなら用途が重なる
ここは私自身の環境では重要なポイントです。
私は実際の真空管アンプを録音するために、Two Notes Torpedo Captor X も使用しています。
Captor X を使えば、自分の真空管アンプをロードボックス経由で録音できます。
一方、IRIDIUM はアンプそのものをモデル化しているため、実機アンプを必要としません。
つまり、
実機の真空管アンプを録音したい → Captor X
手軽にアンプサウンドを作りたい → IRIDIUM
という使い分けができます。
実際に真空管アンプを自宅で録音する方法については、こちらの Captor X レビューでも詳しく紹介しています。
IRIDIUM と Captor X の違い
この 2 つはどちらも宅録で使えるため、混同されやすいと思います。
しかし、根本的には別の機材です。
| Strymon IRIDIUM | Two Notes Captor X | |
|---|---|---|
| 実際の真空管アンプ | 不要 | 必要 |
| アンプモデリング | ◎ | × |
| ロードボックス | × | ◎ |
| キャビネット IR | ◎ | ◎ |
| 無音で宅録 | ◎ | ◎ |
| ペダルボードへの組み込み | ◎ | △ |
| 手軽さ | ◎ | △ |
| 自分のアンプを録音 | × | ◎ |
| ヘッドホン練習 | ◎ | ◎ |
私の使い分けはかなり明確です。
「今日は簡単にギターを録音したい」なら IRIDIUM。
「Orange AD140HTC そのものを録音したい」なら Captor X。
どちらが優れているというより、目的が違います。
IRIDIUM はどんな人におすすめ?
Strymon IRIDIUM は、ただのシミュレーターの枠を超え、ギタリストの演奏衝動を突き動かしてくれる実際に使用してみて、特におすすめしたいのは以下のような人です。
自宅でアンプを鳴らせない人
マンションなどで大音量を出せない場合、IRIDIUM は非常に便利です。
ヘッドホンを直接接続できるため、夜間の練習にも使えます。
コンパクトエフェクターが好きな人
これは IRIDIUM の大きなターゲットだと思います。
お気に入りのオーバードライブ、ディレイ、リバーブなどをそのまま使い、IRIDIUM をアンプとして最後に追加できます。
宅録をシンプルにしたい人
アンプをマイク録音する必要がなく、
ギター → ペダル → IRIDIUM → オーディオインターフェース
で録音できます。
機材構成をシンプルにしたい人にはかなり魅力的です。
ライブやスタジオにアンプを持っていきたくない人
ペダルボードに IRIDIUM を組み込めば、アンプ部分をボードに持たせることができます。
逆に IRIDIUM をおすすめしない人
以下のような人には、別の選択肢の方が合うと思います。
- 真空管アンプそのものの音が欲しい
- 所有しているアンプを録音したい
- 大量のアンプモデルから選びたい
- マルチエフェクター 1 台ですべて完結させたい
- アンプのエフェクトループを使いたい
特に「自分の真空管アンプを録音したい」という目的なら、 IRIDIUM ではなくロードボックス + 実機アンプという選択肢を検討した方が良いでしょう。
私の IRIDIUM の使い方
私の場合は、コンパクトエフェクターを中心としたペダルボードの最後に IRIDIUM を置いて使用しています。
普段使っているエフェクターを前段に並べ、
ギター → エフェクター → IRIDIUM → オーディオインターフェース
という形にすることで、ペダルボードをそのまま宅録環境にできます。
これは IRIDIUM を使っていて非常に便利だと感じる部分です。
また、私は実機の Orange AD140HTC と Two Notes Captor X も所有しているため、
実機アンプを録るときは Captor X、手軽に録るときは IRIDIUM
という使い分けをしています。
Strymon Iridium をアンプのリターンに接続する方法
Strymon Iridium は、アンプのエフェクトリターンやパワーアンプ入力に接続して使うこともできます。
この接続では、Iridium のアンプモデリングを使いながら、接続先アンプのプリアンプ段を通さずにパワーアンプへ信号を送ることができます。
ただし、通常のアンプ・キャビネットを使う場合は、Iridium のキャビネット IR 処理をバイパスする必要があります。
接続の基本
- ギターを Iridium の INPUT に接続する
- Iridium の OUT から、アンプの EFFECTS RETURN または POWER AMP INPUT に接続する
- Iridium を Cab Bypass モードに設定する
- 音量を低い状態から上げ、アンプ側と Iridium 側の音量を調整する
Cab Bypass モードでは、Iridium のアンプモデリングを利用しながら、キャビネット IR 処理をバイパスできます。
注意点
- アンプの機種によって、リターン入力の仕様や音量の調整方法は異なります。
- Iridium の出力音量は低めから調整してください。
- アンプのスピーカー出力を Iridium に接続してはいけません。機材の故障につながるおそれがあります。
- 通常のアンプ入力につなぐ場合とは音の経路が異なるため、接続先の仕様と取扱説明書も確認してください。
なお、Iridium は本来、アンプとキャビネットのサウンドをライン出力やヘッドホンで利用する用途を主眼とした製品です。実際のギターアンプと組み合わせる場合は、接続方法によって音の印象が変わる点も理解しておきましょう。
Strymon IRIDIUM のまとめ
Strymon IRIDIUM は、単純に「たくさんのアンプを搭載したアンプシミュレーター」ではありません。
3 種類のアンプモデル、
- Fender 系の Round
- Vox 系の Chime
- Marshall 系の Punch
に加えて、9 種類の IR キャビネット、Room Ambience、ヘッドホン出力などを備えています。
そして何より便利なのが、「ペダルボードの最後に置けば、そのままアンプになる」ということです。
私のようにコンパクトエフェクターを中心に音作りをしている人にとっては、かなり使いやすい機材です。
一方で、アンプモデルの数は 3 種類に限られており、Send / Return もありません。
そのため、「何でもできる万能マルチ」を求める人より、「良いアンプサウンドをシンプルに作りたい人」に向いていると感じます。
個人的に IRIDIUM の最大の魅力は「リアルなアンプシミュレーター」というだけではなく、
お気に入りのペダルボードを、そのまま自宅録音・ライブ用のアンプシステムにできること
だと思っています。
真空管アンプを大音量で鳴らせないけれど、コンパクトエフェクターを使った音作りは妥協したくない。
そんなギタリストには、今でも非常に魅力的な選択肢です。
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