こんにちは!「マイスタ機材室」です。
ペダルボードからオーディオインターフェースや PA に直接接続して、アンプを持ち運ばずに本格的なギターサウンドを作りたい。
そんな人に人気なのが、ペダル型のアンプシミュレーター/アンプ&キャビネット・シミュレーターです。
今回は、その中でも方向性が大きく異なる 2 台、
を比較します。
どちらもペダルボードの最後に置いてアンプの代わりとして使えますが、実際に使ってみると、目指しているサウンドも使い勝手もかなり違います。
この記事では、
- サウンドの方向性
- アンプモデルの違い
- エフェクトループの有無
- 宅録での使いやすさ
- どんな人に向いているか
というポイントから比較していきます。
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結論:どちらを選ぶべき?
最初に結論を言うと、かなり分かりやすく分かれます。
Friedman IR-X がおすすめ
「Friedman らしいロック~ハイゲインサウンドを中心に、アンプとしての操作感を重視したい人」
IR-X は 2 チャンネルの真空管プリアンプで、エフェクトループも搭載しています。
特に、
- Plexi 系のクランチ
- Friedman 系のハイゲイン
- ピッキングに対する反応
- エフェクトループを使ったペダルボード構築
を重視するなら IR-X が魅力的です。
Strymon IRIDIUM がおすすめ
「Fender / Vox / Marshall 系の 3 種類のアンプを使い分けながら、シンプルに宅録やライブで使いたい人」
IRIDIUM は 3 種類のアンプモデルとキャビネット IR を搭載しており、コンパクトなペダルボードにアンプ機能を組み込みやすいのが魅力です。
特に、
- クリーンからクランチまで幅広く使いたい
- ペダルボードをシンプルにしたい
- ヘッドホンでも使いたい
- アンプモデルを複数使い分けたい
という人には IRIDIUM が向いています。
Friedman IR-X vs Strymon IRIDIUM 比較表
| Friedman IR-X | Strymon IRIDIUM | |
|---|---|---|
| 基本構成 | 真空管プリアンプ | デジタル・アンプモデラー |
| アンプタイプ | Friedman / Plexi 系 | Fender / Vox / Marshall 系 |
| アンプモデル | 2 チャンネル | 3 モデル |
| 真空管 | 12AX7 × 2 | なし |
| キャビネット IR | 対応 | 対応 |
| エフェクトループ | ◎ | × |
| Room 機能 | ― | ◎ |
| ヘッドホン | ― | ◎ |
| MIDI | 対応 | 対応 |
| ペダルボードへの組み込み | ◎ | ◎ |
| 得意なサウンド | ロック~ハイゲイン | クリーン~ロック |
| 操作のシンプルさ | ○ | ◎ |
| 多用途性 | ○ | ◎ |
この表だけでも、両者の方向性がかなり違うことが分かります。
サウンドの違い
Friedman IR-X
IR-X の大きな特徴は、本物の 12AX7 真空管を 2 本搭載したプリアンプであることです。
Friedman らしいロックサウンドを中心に、2 つのチャンネルを使い分けることができます。
CH 1 は Plexi 系のクランチ~ドライブ。
CH 2 はよりハイゲインな Friedman 系サウンド。
という方向性で、特にロックやハードロック系のギターサウンドを作りたい場合に強いです。
また、実際に弾いてみると、ピッキングの強弱に対する反応や、音を押し出していく感覚が非常に気持ちいい。
ここは IR-X の大きな魅力です。
ただし、「真空管だからデジタルより必ず音が良い」と考えるより、「真空管プリアンプならではの弾き心地やサウンドキャラクターを求める人向け」と考えた方が適切です。
Strymon IRIDIUM
一方の IRIDIUM は、デジタルモデリングによってアンプサウンドを再現するタイプです。
搭載されているのは、
- ROUND:Fender Deluxe Reverb 系
- CHIME:Vox AC30 系
- PUNCH:Marshall Plexi 系
の 3 種類。
IR-X が「Friedman のサウンドを作ること」に強いのに対して、IRIDIUM は 3 種類の代表的なアンプタイプを使い分けられることが魅力です。
例えば、
「今日は Fender 系のクリーン」
「今日は Vox 系のクランチ」
「今日は Marshall 系」
というように、楽曲やペダルに合わせてアンプタイプを変更できます。
アンプのバリエーションなら IRIDIUM
ここは IR-X と IRIDIUM の大きな違いです。
IR-X は「Friedman のサウンドを中心に使う」ための機材です。
一方、IRIDIUM は、「Fender / Vox / Marshall の 3 系統を使い分ける」ための機材です。
そのため、「1 台でいろいろなアンプサウンドを使いたい」という人なら IRIDIUM の方が使いやすいでしょう。
逆に「自分は基本的に Plexi 系~Friedman 系の音が好き」という人なら、IR-X の方が音作りの方向性を決めやすいと思います。
エフェクトループは IR-X の大きな強み
両者を比較するうえで、個人的にかなり重要だと思うのがエフェクトループの有無です。
Friedman IR-X
IR-X にはエフェクトループがあります。
そのため、
IR-X → ディレイ → リバーブ
というように、プリアンプで作った歪みの後ろに空間系エフェクターを配置できます。
これは IR-X を「小型のアンプヘッド」のように使いたい場合に非常に便利です。
特にハイゲインサウンドでは、ディレイやリバーブを歪みの後ろに置くことで、より整理されたサウンドを作りやすくなります。
Strymon IRIDIUM
IRIDIUM にはエフェクトループがありません。
そのため、接続するペダルの順番は自分で考える必要があります。
例えば、
歪み → IRIDIUM → ディレイ → リバーブ → オーディオインターフェース
という構成も可能です。
つまり、「空間系を IRIDIUM の後ろに置けない」というわけではありません。
ただし、ペダルボード全体をアンプのエフェクトループまで含めて構築したい場合は、IR-X の方が自由度があります。
この点は、ハイゲインを中心に使う人ほど重要になるでしょう。
宅録で比較するとどう違う?
宅録では、どちらも非常に便利です。
IR-X の場合
IR-X は、
ギター → ペダル → IR-X → オーディオインターフェース
という構成にできます。
Friedman 系のアンプサウンドを中心に作りたいなら、非常にシンプルです。
また、キャビネット IR を使うことで、実際のキャビネットをマイク録音しなくてもライン録音できます。
特に「アンプシミュレーターの音ではなく、Friedman のアンプを弾いている感覚が欲しい」という人には魅力的です。
IRIDIUM の場合
IRIDIUM も、
ギター → ペダル → IRIDIUM → オーディオインターフェース
という構成が可能です。
さらに Room Ambience が搭載されているため、ヘッドホンやモニタースピーカーで聴いたときの空間感を作りやすいのもメリットです。
ヘッドホン出力もあるため、
ギター → IRIDIUM → ヘッドホン
というシンプルな練習環境も作れます。
「とにかくすぐ音を出したい」という意味では、IRIDIUM の手軽さはかなり魅力的です。
IR-X と IRIDIUM、どちらが使いやすい?
これは目的によって変わります。
シンプルさを重視するなら IRIDIUM
IRIDIUM は、
- アンプを選ぶ
- キャビネットを選ぶ
- 必要なら ROOM を調整する
というシンプルな構成です。
コンパクトエフェクターを前段に並べて、最後に IRIDIUM を置くだけでもシステムが完成します。
アンプとしての拡張性を重視するなら IR-X
IR-X はエフェクトループを搭載しているため、「アンプの前に歪み、アンプの後ろに空間系」という、一般的なアンプと同じようなペダルボード構築がしやすいです。
特にディレイやリバーブを多用する人には、この違いが大きくなります。
私ならどちらを選ぶ?
私自身は、Friedman IR-X の方を選びます。
理由は、単純に私が欲しいギターサウンドとの相性です。
IRIDIUM は Fender / Vox / Marshall の 3 種類を使い分けられ、Room やヘッドホン出力も含めて非常に使いやすい機材です。
一方で、私の場合は「いろいろなアンプを試したい」というより、「好きなアンプサウンドを気持ちよく鳴らしたい」という目的が強いため、IR-X の方向性が合っています。
特に IR-X のハイゲインサウンドと、ピッキングしたときの反応は大きな魅力です。
ただし、これはあくまで私の選択です。
汎用性なら IRIDIUM、Friedman 系のサウンドとアンプとしての使い勝手なら IR-X
このくらいの考え方で選ぶと分かりやすいと思います。
こんな人には IR-X がおすすめ
- Friedman 系のロックサウンドが好き
- Plexi ~ ハイゲインを中心に使いたい
- 真空管プリアンプの弾き心地を重視したい
- エフェクトループを使いたい
- アンプとしての操作感を重視したい
- ペダルボードで本格的なロックサウンドを作りたい
こんな人には IRIDIUM がおすすめ
- Fender / Vox / Marshall 系を使い分けたい
- クリーン~クランチを幅広く使いたい
- 宅録をシンプルにしたい
- ヘッドホンでも使いたい
- ペダルボードにアンプ機能を組み込みたい
- 1 台で複数のアンプタイプを使いたい
実機アンプを録音するなら Captor X という選択肢もある
ここまで紹介した IR-X と IRIDIUM は、どちらも「アンプそのものを持たずにアンプサウンドを作る」ための機材です。
一方、私のように実際の真空管アンプも所有している場合は、別の選択肢があります。
それが Two Notes Torpedo Captor X です。
Captor X はアンプモデラーではなく、実際の真空管アンプをロードボックス経由で録音するための機材です。
例えば、
Orange AD140HTC → Captor X → オーディオインターフェース
という構成にすれば、自分が所有している実機アンプのサウンドを宅録できます。
つまり、
実機アンプを録音したい → Captor X
Friedman 系のサウンドを手軽に作りたい → IR-X
複数のアンプタイプを手軽に使いたい → IRIDIUM
という使い分けになります。
まとめ
Friedman IR-X と Strymon IRIDIUM は、どちらも優れたペダル型アンプシステムですが、方向性はかなり違います。
Friedman IR-X
Friedman 系のサウンドを中心に、真空管プリアンプとエフェクトループを活かして本格的なペダルボードを組みたい人向け。
Strymon IRIDIUM
Fender / Vox / Marshall の 3 種類のアンプタイプを使い分けながら、シンプルに宅録やライブ環境を作りたい人向け。
私なら IR-X を選びますが「どちらが上か」ではなく「何を求めるか」で選ぶべき 2 台です。
迷ったら、
Friedman の音が欲しいなら IR-X
いろいろなアンプを使いたいなら IRIDIUM
と考えると、かなり選びやすくなります。
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