【実機レビュー】Fender 70th Anniversary Esquire

Guitar

こんにちは!「マイスタ機材室」です。

「エレキギターにピックアップが2つ以上必要なのは本当に当たり前なのか?」そんな問いを突きつけてくるかのような、圧倒的な潔さと無骨な美学を持つギターをご存じでしょうか。

それが、1950年に発表された世界初の量産型ソリッドボディ・エレキギターの70周年を記念して復刻された Fender 70th Anniversary Esquire(70th アニバーサリー・エスクワイヤ) です。

リア・ピックアップ基のみという極めてシンプルな見た目でありながら、なぜ今なおトッププロや宅録ギタリストを魅了して離さないのか、その真価を徹底レビューします。

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Fender 70th Anniversary Esquire とは?

Fender 70th Anniversary Esquireは、テレキャスターの前身であり、エレキギターの歴史の原点となった1950年製「エスクワイヤ」を忠実に再現したアニバーサリーモデルです。

軽量なローステッド・パインボディ、1950年スタイルのVシェイプ・メイプルネック、そしてTim Shawによって特別にデザインされた「’50s Esquireピックアップ」を搭載。一見するとテレキャスターのフロントピックアップを外しただけのように見えますが、その内部回路とサウンドの表現力は全くの別物です。

実際に使ってわかった3つのメリット

  • 1. 1ピックアップだからこそ実現した「異次元のサステインとレスポンス」
    • フロントピックアップが存在しないため、弦に対する磁力(マグネット・プル)の引きずりが半減しています。 これにより、弦が本来持つ伸びやかな振動がそのままボディに伝わり、テレキャスター以上の圧巻のサステイン(音の伸び)と鋭いピッキング・レスポンスを生み出します。ピックが弦に触れた瞬間の「バシッ」というアタック感は、他のどのギターでも味わえない爽快感があります。
  • 2. 1PUとは思えない幅広さを持つ「伝統の3ポジション・コントロール」
    • セレクタースイッチが付いていますが、ピックアップの切り替えではなく「トーン回路の切り替え」を行います。
      • ポジション1(リア):トーン回路を完全にバイパスした「直結モード」。一切のフィルターを通らない無骨で鋭い極上のロックトーン。
      • ポジション2(センター):通常のトーンノブが効くモード。甘くメロウなクランチから歯切れの良いバッキングまで自在。
      • ポジション3(フロント):高域をカットし、まるでフロントPUやベースのような太いトーンを模倣した「プリセット・トーン回路」。 この3パターンを使い分けることで、バッキングからソロまでを手元だけで完璧に完結させることができます。
  • 3. DTM・ライン録音で真価を発揮する「圧倒的な音抜けと原音の存在感」
    • オーディオインターフェイス直結のライン録音環境(アンプシミュレーター等)において、Esquireのピュアな出力は最強の武器になります。 余計な回路を通らないストレートなサウンドは、音の立ち上がりが非常に速く、トラックのミックス内で「埋もれない芯」をしっかりと主張してくれます。「Vemuram Jan Ray」や「BOSS BD-2W」のような追従性の高いペダルを踏んだ際のドライブ感は、まさに極上の一言です。
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ちょっと気になるポイント

  • 弾き手の腕とダイナミクスが100%露呈する(ごまかしが効かない)
    • ピックアップが1つしかなく、音の立ち上がりが極めて速いため、ピッキングの強弱やニュアンスがダイレクトに音になって出力されます。 ピックの当て方の甘さやタイミングのズレ、雑なミュートごまかしが効かないため、弾き手には相応のタッチ・コントロールが求められます。しかし、だからこそ「ギターが上手くなるギター」として弾き込む楽しさは格別です。

まとめ:どんな人におすすめ?

Fender 70th Anniversary Esquireは、多機能さを競う現代において「シンプルさこそが最高の表現力になる」ということを証明してくれるマスターピースです。以下のような人におすすめです。

  • 余計な回路を通らない、原音そのままの鋭いピッキング・レスポンスと音抜けを求めている方
  • アンプシミュレーターや宅録環境で、ミックスに埋もれない芯のあるギタートラックを録りたい方
  • 無駄を一切削ぎ落とした「無骨で歴史的な美学」を持つ一生物のギターを手にしたい方

右手のタッチひとつで表情をガラリと変え、極上のアタック感とどこまでも伸びるサステインで弾き手を魅了してくれます。手に入れたその日から、あなたの足元のペダルやアンプシミュレーターのポテンシャルを極限まで引き出してくれる、最高に刺激的な一台となるでしょう。

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